大草原でゆったりと歩きのんびり草を食むキリンは、いつ見ても癒しの対象です。
身体の形状も特異な箇所が多いキリンですが、よく見てみると、長い舌の色が気になります。
黒かったり、紫がかっていたり。
通常舌は赤い、と思いがちな私たちとしては謎です。
キリンの舌が黒いのはなぜなのでしょうか?
病気なの?
いいえ、違います。
これには意外な理由があるのです。
キリンの舌の色の不思議に迫ります。
どうして黒いの?キリンの舌の仕組み
キリンの舌は細長く50cmほどもあります。
これを器用に使って、高い位置にある枝から葉や芽を摘んで食べます。
大量の葉を食べるキリンはその動作を止めることなく忙しく食べ続けます。
大きな身体、体力に見合った食物量を摂取するためには必要な仕事です。
そのためキリンの舌は、口の中に収まることなく常に外に出ていることが多いです。
ですから、キリンの舌が黒いのは、常に動かしていることに理由が隠されているようです。
キリンの舌が黒い理由は?
全長4、5mを考えると、キリンは常に強い日ざしを浴びている形になります。
常に餌を探ってむき出しになっているキリンの舌も日差しを浴びて日焼けをしていることになります。
さらに、好みのアカシアの木の葉を食べるキリンは、アカシアのトゲを避けながら葉を舌に絡めしごきます。
それらの摩擦や日焼けを多く繰り返すことによって、メラミン色素が沈着し、キリンの舌を黒っぽいものにしている、と言えます。
さらに、メラミン色素は、紫外線防止のほか、感染防止の役割も果たしています。
木の棘や硬い樹皮などで舌が痛んでもバクテリアなどから病気感染を防げる、ということです。
まとめ
このように何気ない見落としやすい部位の色までも、野生動物にとってはサバイバルにはとても必要な知恵や進化が伴っているということがわかります。
自然は沢山の動物のほか、植物やバクテリアとの共存が必須です。
キリンもそれらとうまく付き合い、自分たちが繁殖するために備わっている特徴を大いに発揮し生存を試みている、というわけです。