オオアリクイは世界中の至るところにいる動物ではなく、いくつかの種類に分かれていますが、生息地はほとんど同じになっています。
自然界で生息している動物は新たな生息地を求めて移動したり、それによって世界のあらゆる場所に分布している個体もいます。
ではオオアリクイですが、どうして生息地を拡大せずに同じ場所にとどまったのでしょうか。
オオアリクイが生息している地域
オオアリクイは北米大陸と南米大陸の中間に位置する中南米地域に生息していて、それ以外の地域で野生の姿を見ることはありません。
その中南米地域でオオアリクイではないアリクイは森林地帯にだけに分布していますが、オオアリクイは木に登らないので特に森林地帯に拘る必要がなく、森林地帯にも生息していますが他に草原や湿地帯にもいます。
オオアリクイは体が大きいので一日に3万匹のアリが必要になるため、アリ塚がたくさんある場所に生息していると言えます。
人間を特に警戒するということはないのですが、オオアリクイは臭いで相手を認識しているので嗅覚がとても発達していて、人間が出す刺激の強い臭いが嫌いなので、人間のいる近くには生息していません。
オオアリクイの生息地の減少
野生動物の生息地は例外なく減少していますが、オオアリクイの生息地も人間が開発を進めたことで減少しています。
オオアリクイは樹木を必要としませんが、オオアリクイが捕獲しているアリはシロアリが多いので、樹木が少なくなるとアリの数も減っていくので、一日に大量のアリが必要なオオアリクイにとっては、アリがいなくなると生息することができなくなります。
そのためオオアリクイは一日にアリ塚を探して長距離を移動しなければならず、そんなに早く移動できないため、生息地にアリの個体数が減るというのは重大な問題なのです。
オオアリクイと人間との関係
オオアリクイは人間との共存が全くできないわけではなく、人間の近くでも十分に生息できますが、その場合は夜行性になる傾向が強くなります。
オオアリクイは基本的に温和で気弱な性格をしていますが、極度に警戒心が高まると相手に大きな爪を持つ前足を振り下ろしたり、後ろ足だけで立ち上がって抱きつき、締め付けることもあります。
普段は自分から身を引くオオアリクイですが、突然に現れてパニックになったり、逃げ場が無いと威嚇行動を起こすので、絶対に安全な動物ではありません。
大型の肉食動物が天敵なのですが、このオオアリクイの性格を知っているために、積極的に近寄ろうとはしません。
肉食動物でも近寄らないのですから、人間も近寄らない方が賢明です。
まとめ
オオアリクイの生息地は元々は人間がいない場所でしたが、人間が開発を進める段階でその生息地は減少していきました。
しかもオオアリクイは一度の繁殖で一頭か二頭しか子供を産まないので、そのままでは生息数が少なくなるのは当然であり、現在は絶滅危惧種に指定されてしまいました。
自然と人間の共存は簡単にできるものではありませんが、人間からオオアリクイはの生息地に近寄っていったのですから、今度は個体数を増やす努力をする番ではないでしょうか。