なんだか微笑んでいるような表情や、のんびりゆっくりした動きがとてもかわいらしいナマケモノ。

体長は40cmから75cmほどで、体重は4kgから9kg。

ペットとしても人気があり、人間にしっかりと抱き着く姿もとても愛らしい生きものです。

しかし、そのナマケモノ、遠い祖先はクマよりも巨大な生物だったと言われています。

現在の姿からは想像もつきませんね。

一体どんな生きものだったのでしょうか。

ナマケモノは昔は巨大生物だった?

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ナマケモノ祖先と考えられているのが、メガテリウムという生物です。

漢字では「大懶獣」(だいらいじゅう)と書きます。

メガテリウムは、約1万1000年前から南アメリカ大陸に生息していたといわれています。

体長は6mから8m、体重は3トンで、ヒグマの3倍近い圧倒的な巨体を持つ、史上最大のナマケモノと呼ばれています

現在のナマケモノと同様に、手足の爪が長く発達していましたが、この大きさですから、木に登ることはできませんでした。

また、後ろ肢の方が長いことから、現在のナマケモノとは違い、地上を歩いて過ごしていたものと考えられています。

動きは遅く、草食性で落ち葉や木の樹皮を食べていたと考えられていますが、時には肉食獣が食べたあとの残飯も食べていたのではないかともいわれています。

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ナマケモノの巨大な祖先が絶滅した理由は

南北アメリカ大陸が繋がった際、現在のナマケモノの天敵でもあるジャガーの祖先や、スミロドンなどの肉食獣が、南アメリカ大陸に進出しました。

それらの肉食獣にとっては、メガテリウムの幼獣も捕食対象でしたが、それでもメガテリウムは絶滅することはありませんでした。

メガテリウムが絶滅した時期は、南北アメリカに人類が進出した時期と重なります。

人類にとって、体も大きく動きも緩慢だったメガテリウムは人類の狩りの対象だった可能性もありますが、はっきりとした関係は分かっていません。

まとめ

現代のナマケモノのかわいらしさ、ペットとして飼育できるほどのおとなしさからは想像もできないほどの大きな祖先の姿でした。

そして、その絶滅に人間がかかわっている可能性についても、考えさせられるものがありました。

現在のナマケモノが生き残ることができたのは、その体の小ささも理由の一つなのかもしれませんね。

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