チンパンジーと一緒に暮らす毎日ってどんなに楽しいでしょう…と思ったあなたも、チンパンジーは、動物園や猿回しでしか見たことがないでしょう。
そう、一般の人が連れて散歩をさせている姿を1度も見たことがありません。
そもそも、チンパンジーは、飼えるのでしょうか。
調べてみます。
チンパンジーとは
- チンパンジーの知能
◎ チンパンジーの知能は高く、大人になる前から幼稚園児並みの理解度があるといわれています。
そのために人間のいうことを短い時間で理解し、しぐさを覚えて真似をしたり、自分からアレンジをして実践する様になるそうです。
◎ チンパンジーは知能が高いがゆえに、飼育者と上手くやっていこうと思わせるしぐさ(緊張をほぐす、挨拶など)を見せる様です。
- チンパンジーの運動能力と力
子供の頃から運動能力は高く、「うんてい」や「綱渡り」、「ジャンプ」など、サーカスなどで見る姿そのままを見せ、到底、人には真似ができません。
9歳頃になると、握力が300kg近くにもなり、向こうが優しく握ったつもりでも、人間からは恐怖さえ覚える力だといわれています。
- 大人のチンパンジー
だいたい10年も一緒に暮らしていると、身長は150cmを超え、体重は50kg近くになり、迫力満点の立派なチンパンジーになっていることでしょう。
7歳頃には発情期も迎え、日頃は穏やかだったチンパンジーも、この時ばかりは気が荒く、粗暴になるかも知れません。
そして、あなたに感情をぶつけてくるかも知れませんね。
さらにいうなら、「あなたの命の保証はできないかも知れません」ともいえそうです。
本来、チンパンジーは「猛獣」に分類されている様です。
一説には、ゴリラよりも凶暴だといわれているそうです。
大人になると、自我が目覚める前の可愛いチンパンジーから一変してしまうそうです。
長年あなたを観察して、「自分よりも強いか弱いか」を見極め、弱いと見るや上位から実力行使に出るといいます。
サーカスなどで飼育されていたチンパンジーが、大人になると調教師のいうことを聞かなくなり、ショーに出せなくなって、余生を狭い檻の中で過ごすなどは、よく聞く話です。
- チンパンジーの寿命
子供のチンパンジーを迎えておおむね35~40年、長生きをする個体であればさらに20年、そして、あなたも一緒に同じ年月を過ごしてきているはずです。
チンパンジーは、50年前後の生涯を閉じることになるそうですが、あなたの方がずっと年上のはずでしょう。
国内におけるチンパンジーの解説
- 環境省指定の特定動物である
人間に害を与える可能性がある動物なので、家庭での飼育は都道府県知事の許可が必要とされている様です。
チンパンジーの飼育を許可された団体(組織)であっても、個体が逃げ出さない様に最大限の管理体制を整える必要がある様です。
- チンパンジーは大変頭が良い
チンパンジーは知能が高いといわれているので、飼い主を欺く個体がいることを踏まえなければならないということです。
- チンパンジーが可愛いのは幼い内
チンパンジーが人間に慣れて可愛いしぐさを見せるのは、発情期前まで(自立まで)の期間、おおむね9歳までといわれている様です。
- チンパンジーの握力
チンパンジーの握力は、リンゴを一瞬握っただけで砕け散ってしまうほど強いので、人間の体などはひとたまりもないそうです。
- チンパンジーは気が荒い
チンパンジーは、ゴリラよりも気が荒いといわれているため、ペットにしたところで、飼い主の身が危険にさらされる可能性があるそうです。
- チンパンジーは肉が好き
チンパンジーは、雑食といわれながらも比較的肉も好きで、一般家庭ならエサ代で1か月分は出て行ってしまう可能性があるそうです。
世界におけるチンパンジーの解説
- チンパンジーは絶滅の恐れあり
◎ チンパンジーは、ワシントン条約(野生動物の輸入に関する条約)で、「絶滅危惧種」と決められたために、取引を禁止されている様です。
◎ チンパンジーは、絶滅危惧種の中でも、さらにランク上の「レッドリスト=絶滅の危険性が高い」にも指定されている様です。
- チンパンジーの「正規取引」
チンパンジーの輸入は、目的が限られていて「繁殖が目的であれば許可される」とはいわれていても、例え、動物園からの依頼であっても「一発OK」は出してもらえないといわれています。
※環境面と管理体制について、厳しい注文を出されるそうです。
チンパンジーの値段
この様にチンパンジーは、今や世界的に守られている動物だそうですから、「値段の付け様もありません」というのが、この日本では正しい答えだと思われます。
ですが、海外では、環境を整える条件で飼育することが許されている場合もあり、「セレブの象徴」の様に扱われた時代があったともいわれています。
有名な歌手が愛してやまなかったチンパンジーは、記憶に残っているでしょう。
アメリカでのチンパンジーの値段は、日本円で40万円ほどから、高価な個体では650~700万円だそうです。
まとめ
チンパンジーをペットにするのは、この日本に住んでいる以上、無理だと分かりました。
チンパンジーは、国内では許可を必要とし、ワシントン条約で「絶滅危惧種」に指定されてからは、動物園での飼育にさえ厳しいことが分かりました。
ですから、一般人には全く手が届かないと感じています。
例え、チンパンジーをペットに迎えたとしても、「子供の頃は可愛いだけの存在が、年齢とともに一変することになる」、このことを人間は甘く見ているのではないか、と思えます。
もともと住む(棲む)世界が違うのだと、思わざるを得ませんでした。