ニホンウナギは2013年に環境省のレッドリストで情報不足から絶滅危惧種へカテゴリー変更が行われました。
翌年の2014年には国際自然保護連合はニホンウナギを「絶滅する可能性が高い絶滅危惧種」指定しました。
実は漁獲量をみるともっと前から随分と減ってきているのに、指定されていなかったのです。
これは、「情報不足」というカテゴリーになっており、それは産卵の場所や時期が明確でなかった事も原因の一つだったのです。
今回は、そんな長い間謎だったニホンウナギの産卵場所についての紹介をします。
ニホンウナギの産卵場所はどこだ!?
長らく正確な産卵場所は不明で、フィリピンの東方海域とされていた時期もありましたが、外洋域の深海と言う事で長年にわたって謎でした。
しかし、2002年6月に東京大学・大気海洋研究所の塚本教授らがニホンウナギの産卵場所は、マリアナ海嶺のスルガ海山付近である事を突き止めました。
今まで、産卵場所の特定に至らなかったもう一つの理由は、産卵場所がピンポイントであったことです。
1992年にアメリカウナギとヨーロッパウナギの産卵場所が特定されましたが、これらの場所はサルガッソー海域全体に広がっています。
ニホンウナギの産卵場所がピンポイントなのは、塚本教授によると大西洋と太平洋の海流の違いとの事です。
大西洋の北大西洋海流は影響範囲が広く、ある程度の範囲で産卵しても海流に乗る事が出来ます。
これに対して、太平洋の場合は北赤道海流が黒潮とミンダナオ海流に分かれます。
日本付近の河口に到達するためには、黒潮に乗る必要があるのです。
その為には、ピンポイントな地域で産卵する必要があるのではないか、との事です。
まとめ
長い間、謎とされてきたニホンウナギの産卵場所の特定をしたのは、日本人でした。
さすがに世界のウナギの70%以上を消費している国としては、面目躍如といったところでしょうか。
とはいえ、まだまだ、ニホンウナギについてはまだ謎が多く残されています。
今後、謎が解明されて、ニホンウナギが絶滅せずに、いつか養殖ではない、天然のウナギが普通に食べられる日がくることを信じたいです。