チンチラといえば、今は、ペットとして人気が急上昇している小動物ですが、以前のそのイメージは、ハイグレードな毛皮の小動物でした。
毛皮採取用の小動物とされてきたのです。
現在は絶滅危惧種に指定されている小動物です。
チンチラの英語名は何というの?
チンチラの英語名は、「chinchilla」或いは、「chinchilla laniger」と表記されています。
「chinchilla」を日本語に訳しますと、「チンチラの毛皮」という意味です。
ハイグレードな毛皮がとれたもので、チンチラというと「毛皮」というイメージが、強かったことを意味します。
出典:https://dictionary.goo.ne.jp/word/en/chinchillaより
「chinchilla laniger」は、真珠色がかった灰色の柔らかい被毛を持つ小型齧歯動物と表記されます。
出典:https://ejje.weblio.jp/content/chinchilla+lanigerより
チンチラの英語の名前はどうしてついたの?
チンチラの英語名は、その歴史を遡らなければならないのです。
チンチラが生息するアンデスの地域は、インカ帝国やスペインに支配されるなどの変遷がありました。
その以前に、チャンチャ人という種族が、漁業などを営み、平和に暮らしていたのです。
ところが、戦争が始まりまして、漁業を捨てざるを得なくなったチャンチャ人は、アンデス山脈の高地に移り住んでいきました。
魚を捕ることもできなくなったチャンチャ人は、チンチラを食用にし、またその毛皮を敷物などにして使用するようになったのです。
人を怖れることのなかったチンチラにとっては、悲劇の始まりであったのです。
チャンチャという言葉が、「チンチラ」の語源のようです。
スペイン語で「チンチラ」というのは、「小さなチャンチャ人」「虫けらっこ」を意味したのです。
チャンチャという言葉が、おそらく訛って、チンチラになったといわれています。
例えば、中国(China)チャイナという言葉がヨーロッパに渡って、チーナ、それが大陸を伝わり日本にやってきた時には、「シナ」と変わったように。
まとめ
可愛い表情のペットとして、日増しに人気が高まる「チンチラ」なのです。
その高級感が漂う毛皮故に、チンチラといえば、「毛皮」といわれる歴史を持っているのです。
それが英語名の「chinchilla」にも現れています。
チャンチャ人が、戦争に追われ、高地に逃げ込んで、チンチラを食料としてしまい、その毛皮は敷物などに利用していました。
しかし、インカ帝国に征服された後、あまりにも高級感が漂う毛皮を、王侯貴族の身分の象徴として用いられました。
以前からチンチラを捕獲して、利用していたチャンチャ人には、毛皮としての使用が許されなくなりました。
チャンチャ人はスペイン語で「小さなチャンチャ人」と蔑称で呼ばれたように、たいした武力も持たない小民族であったことでしょう。
武力を持たないで、漁業を中心に平和の裡に暮らしていたチャンチャ人、それが権力を持つものに追われ、高山に逃げ込み、そしてチンチラを食料とした、そんな悲しい歴史を垣間見る思いがします。
チンチラは、人間よりももっと弱い生き物であるのですから、現在に生きる私たちが、その歴史を思い起こして、チンチラを通して、戦争の無意味さなどを思い出す材料にしてはいかがかと思うのです。