アジアの森にすむオランウータンは、スマトラ島とボルネオ島に分布し、長い間1種類とされてきました。
しかし、2001年以降は、オランウータンの種類は2種類で、ボルネオ島に生息する「ボルネオオランウータン」が約5~6万頭、スマトラ島に生息する「スマトラオランウータン」が約5000頭とされました。
それが、2017年に新種のオランウータンが発見されたとの発表がありました。
オランウータンの種類は?!
2017年11月2日、インドネシアスマトラ島で新種のオランウータンが発見されました。
「タパヌリオランウータン」と名付けられたオランウータンは、これまでスマトラオランウータンの1個体群とされてきましたが、別の種類の可能性があると研究が行われてきました。
「タパヌリオランウータン」は、スマトラ島の中部で発見されています。
細長い体格がスマトラオランウータンに近いが、体毛は細かく縮れていて、ボルネオオランウータンと比べて濃いシナモン色の毛をもつなどの特徴がわかりました。
また、顔のほほの肉ひだである「フランジ」の部分が柔らかな毛で覆われていて、メスも口ひげをもつというのも「タパヌリオランウータン」の特徴です。
10年をかけて研究され、新種であることが判明し、オランウータンの中で3つの異なる進化系統の存在が発表されました。
まとめ
「タパヌリオランウータン」と名付けられた新種のオランウータンは、これまでスマトラオランウータンの1個体群とされてきましたが、他の種類と比べても頭骸骨の大きさや犬歯に特徴があり、体毛の色や質、遺伝子配列も違うことから新種とされました。
しかし、「タパヌリオランウータン」の推定個体数は、わずか800頭あまりで、他の2種類の「ボルネオオランウータン」や「スマトラオランウータン」と同様に絶滅の危機にさらされています。