カバの歯、といえば子ども向けの歯磨きのポスターなどを、思い浮かべませんか?
かわいらしいカバさんが歯磨きをしている絵は、小さい頃よく目にしたのではないでしょうか。
でも本物のカバの歯、特に下顎に生えている犬歯はとても長く大きいので、上顎を突き抜けることがあるのです。
驚きますよね。
カバって犬歯があるの?上顎を突き抜けるって本当!?
カバの下あごには長い牙があります。
これは無根歯で犬歯といいます。
長さは約40㎝~50㎝にもなります。
この犬歯は非常に強くて大きく、一生延々と伸び続けます。
そのため、放っておくと上あごを突き破ってしまうこともあります。
動物園で飼育されているカバに多く見られます。
動物園では柔らかい植物を与えられているからです。
野性のカバは、柔らかい植物だけでなく、硬い植物を食べることもある、ということと、オスならば縄張り争いなどで、犬歯と犬歯をぶつけあって闘うので、適度に削られていき、突き破ることはないのです。
では、飼育されているカバの牙(犬歯)が、必要以上に伸びないように、動物園では飼育係が牙(犬歯)を切ったり削ったりと、常に手入れを怠らないようにしています。
また、カバの食後には口の中を掃除します。
人間の歯磨きと同じで、食後は食べかすなどを取り除いて清潔にしてあげなければ、歯槽膿漏などの病気になってしまうのです。
しかし、このように大きな牙を持っているカバの歯磨きや、牙の手入れなんて、怖そう、大丈夫なのかと思いますよね。
でも、カバは処置が終わるまで大人しくしているというのです。
飼育係さんに大事なことをしてもらっている、と分かっているのかな?
賢いですよね。
草食動物であるカバに、なぜそのような大きな牙(犬歯)が生えているのかというと、縄張り争いなどで他のオスと戦うためと、ライオンなどの敵を追い払うためなのです。
相手を威嚇し攻撃するために、この牙(犬歯)はあるのですね。
カバのオス同士のケンカは、ときに相手の命を奪うこともあるのですから、ライオンなどの強敵も撃退することができるのでしょう。
まとめ
草食動物は、歯を横に動かして草を食べるので、邪魔な犬歯が退化してしまっているものが多いのに、カバは、他の動物よりも強い縄張り意識があるために、その牙(犬歯)が必要なのですね。
ライオンをも恐れさせるその強さで仲間や家族を守るのです。