チンパンジーの繁殖については、群れのオスと、移籍してきたメスの間で共寝が行われ、子どもが生まれるそうですが、野生のチンパンジーの出産場面を見ることはとても難しいといわれています。

また、動物園でも同じの様です。

これから、チンパンジーの出産について調べます。

チンパンジーの出産

チンパンジー 出産 どこから 年齢

チンパンジーのメスは、繁殖ができる年頃になると、生まれた群れを出て、ほかの群れに移籍することが分かっている様です。ですから今、群れにいるチンパンジーのメスは、身内(血縁)がいないということになります。

繁殖

チンパンジーの繁殖時期というのは、はっきりせず、メスのお尻(性皮)が膨らんでくると、発情期がきた印といわれ、いつでも繁殖できることが、群れの誰からも分かる様です。

メスは、上位のオスや、群れの中で力のあるオスと共寝をして、次のボスを狙える子供を出産しようとするそうです。

また、オスも自分の子どもを次期ボスにするために、複数のメスと共寝をするそうです。

オスは、複数のメスと共寝をし、より多くの子孫を残そうとする様ですが、メスとの共寝が多いオスは、将来のライバルを減らす目的で、別のオスに襲われることもある様です。

妊娠期間

チンパンジーの妊娠期間は、おおむね230日ほどといわれています。

出産準備

チンパンジーは、妊娠出産に関係なく個々に必ず巣を作り、夜はそこで眠る習性があるため、出産を控えたメスにとっては、いつも「ベッド」が用意されているのと同じです。

特に、準備するものはないといわれていて、あとは陣痛を待つばかりとなる様です。

出産の様子

野生のチンパンジーの出産の様子は、気を許した信頼関係のある個体以外には見せない、または、ほとんどが身を隠す様です。

40年近くもチンパンジーの観察を行ってきた「チンパンジーの保護区」の巡回員でさえ、出産の時期は予想ができても、目の当たりにしたのは、わずか2回だということです。

野生のチンパンジーの出産の様子は、めったに見られないということの様です。

飼育されているチンパンジーの出産の様子は、飼育者(研究者)と個体の信頼関係がしっかりできている場合は、出産前後から記録が可能だということです。

①飼育室には、日常的にわらなどが敷かれ、出産が特別ではない環境を整えている

②出産時には、必ず飼育者(研究者)が寄り添って、不測の事態に備え、見守っている

③出産のおおむね8時間ほど前から陣痛が起き始め、個体の落ち着きがなくなる

④さらに時間が進むと破水が起こる

⑤個体は、お尻(陰部)を触り、臭いを嗅ぎ、出産が近いことを確かめる

⑥子供の頭が見え始めると、四つ足になり、排便をする様な姿勢で力を入れる

⑦逆子でない限り、するりと素早く子どもが生まれる(床に産み落とされる)

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出産後

野生のチンパンジーは、出産後、赤ちゃんの呼吸の確保のあと、胎盤などの処理をして、赤ちゃんとは寄り添って横になるそうです。

それが、飼育されている個体の場合は、生まれた赤ちゃんに対して、野生とは違う反応を見せる様です。

飼育されている場合は、①我が子を見るや、飛び退き、逃げる個体、②赤ちゃんの顔を口で覆う個体(習性からの行動)など、子育てに向かうとは考えにくい様子を見せる様ですが、実は、飼育されている個体のほとんどが群れでの生活を知らず、出産に関する学習をしていないためであろうと考えられています。

そこで、出産が近くなった個体には、黒い人形を抱かせて、生まれてくる赤ちゃんに慣れてもらおうと試みる飼育者もいる様です。

そうすることで、出産後、違和感なく赤ちゃんに接することができる可能性が上がるといわれています。

チンパンジーの出産年齢、子どもの数、出産の間隔

・チンパンジーの出産年齢

チンパンジーのメスは、おおむね10歳を過ぎると、繁殖が可能になるといわれています。

また、その頃になると生まれた群れを出て、ほかの群れに移籍することも分かっています。

ですから、移籍してからは繁殖が可能だということになりそうです。

・チンパンジーの子どもの数

チンパンジーが1度に出産する子供の数は1頭といわれていますが、ごくまれに2頭の場合もある様です。

・チンパンジーの次の出産

チンパンジーは1度出産を終えると、次の出産はおおむね5年ほど先だといわれています。

それには、今の子どもの離乳が関係している様で、子どもの離乳が終わるのが丁度その時期(おおむね5年後)といわれています。

まとめ

チンパンジーは、メスのお尻(性皮)が大きく膨らむことが繁殖可能の合図となり、この時期に共寝をすることで妊娠し、出産できることが分かりました。

また出産の様子は、野生ではほとんど見ることができず、記録もほとんどない様です。

飼育されている個体の場合も、日頃からの個体との信頼関係があってこそ、記録に残せることが分かりました。

群れでの生活を知らない個体の場合は、生まれた赤ちゃんの扱い方を知らず、育児放棄をすることもあり、事前に人形を与えるなどの練習をさせることが有効と考えられていることも分かりました。

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