世界的で恐れられている病気の1つに「エイズ」があります。
このエイズは、比較的新しい病気だといわれています。
では、どこから私たちの世界に入ってきたのでしょう。
実は、「エイズ発症の起源は、チンパンジーである」という説がある様です。
エイズとチンパンジーがどの様に結びついているのか、調べます。
目次
エイズについて
HIVとエイズの違い
初めてエイズが見つかった時は、名前すら付いていませんでした。
先に、新型のウイルスが発見され、「Human Immunodeficiency Virus」の頭文字をとって「HIV(ヒト免疫不全ウイルス)」と名付けられたそうです。
次に、HIVが原因で様々な免疫異常(免疫の低下)が起こる状態(症状)が現れ、「Acquired Immuno-DeficiencySyndrome」の頭文字をとって「エイズ(AIDS=後天性免疫不全症候群)」と名付けられたということです。
今では、2種類のHIVの型があると分かってきた様です。
エイズの診断
HIVに感染していると、もともと本人が持っている免疫力(免疫細胞)が侵され、色々な病気にかかりやすくなる様です。
現在では特定の23種類の内のどれかに当てはまる場合に、「エイズ」であると診断されるそうです。
HIVに感染したことを知らずに、もしくは、放置した場合は、エイズを発症して最悪の結果を招くといわれています。
チンパンジーとエイズ
この様に人間の命をも脅かすエイズですが、発端はチンパンジーの餌となるサルが持つ「サル免疫不全ウイルス=HIVの原型」であることを突き止めた様です。
それは、2種類のサルが持つそれぞれのウイルスが混ざり合って変化して、チンパンジーの中でHIVの形になったと考えられています。
チンパンジーは、群れの中にボスの座を守りたい個体と奪いたい個体が、常に存在するという仕組みになっているために、オスは自分の子孫をより多く残すために複数のメスと共寝をする様です。
そのため、すでに群れ全体がHIVに侵されている可能性があると考えられます。
チンパンジーは人間とは違い、エイズを発症しないのだそうです。
「なぜ、チンパンジーはエイズを発症しないのか」についての詳しいことは、まだ解明されていないといわれています。
チンパンジーから人間へ移る(感染する)HIV
①チンパンジーを狩る人と調理する人が、パートナー(婚姻関係)である場合に感染する可能性があると考えられている様です。
②チンパンジーを調理することを仕事とする人が、チンパンジーの血液などから感染する可能性があると考えられる様です。
③動物園などでチンパンジーの飼育をする際に、小さな傷口から感染する可能性があると考えられています。
④チンパンジーの唾液や糞尿などが僅かながらでも、傷がある手などに触れてしまうことにより感染する可能性があると考えられています。
チンパンジーは、なぜエイズを発症しないのか
人間が「現在の人間」になるまでに長い年月をかけたのと同じ様に、チンパンジーも長い年月をかけてエイズが発症しない抵抗力を身につけたと考えられています。
まとめ
現在もまだ、命を失う可能性のある病気として恐れられているエイズですが、始まりは「SIV(サル免疫不全ウイルス)」を持つ2種類のサルを餌とするチンパンジーの体の中で混ざり合って変化し、「HIV」が作られたと分かりました。
HIVに感染したチンパンジーを、さばいたり食べたりした人間にHIVが感染したことから広まったと考えられているそうです。
チンパンジーには、エイズを発症する免疫力が備わっている様ですが、人間にはチンパンジーと種族が分かれた時からエイズに対する免疫力がないそうです。
「HIV」や「エイズ」が未知の病気で、研究が進まなかった当時は、たくさんの人の命が奪われた事実がありましたが、今では、「HIV」と「エイズ」の関係が徐々に分かってきたこと、医学が進歩したことなどから、HIVに感染しても、しっかりとした治療を継続していけば、エイズを発症するリスクが格段に下がるといわれていることを聞き、何事も、早期発見が大切だと改めて思いました。
また、発症の起源となったチンパンジーをより深く研究することで、「悪役」から「恩人」に変わる可能性を願うばかりです。