アマミノクロウサギは奄美大島と徳之島に生息している日本固有のウサギで、本土と隔離された環境で独自の進化を遂げてきました。
1921年には天然記念物に指定され、さらにその後の1963年に特別天然記念物として定められました。
いまでは様々な理由からその数が減少し、絶滅危惧種となっています。
アマミノクロウサギはその名前から、黒いウサギを想像する方も多いと思いますが、実はその姿は黒くなく、暗めの茶色に近い色をしています。
また本土のウサギとは見た目も全然違いますよ。
さて、そんなアマミノクロウサギですが、同じく奄美大島の固有種で、猛毒を持つヘビであるハブとは共生できるのでしょうか?
ハブの毒はかなり強く、私たち人間にとってはとても恐ろしい存在です。
アマミノクロウサギとハブの関係と、彼らが共生できるのかどうかということを詳しくご紹介していきたいと思います。
アマミノクロウサギとハブの関係は?共生の可能性はあるの?
先ほども少しだけご紹介しましたが、アマミノクロウサギもハブも、どちらも昔から奄美大島に生息している固有種です。
長い年月のあいだ、同じ地で独自の進化をとげてきた両者なので、一緒に仲良く生活してきたと考えても不思議ではありませんよね。
でも実は、残念なことにハブはアマミノクロウサギの天敵なのです…。
アマミノクロウサギは赤ちゃんを産み育てる際、お母さんウサギは自分用の巣穴と子ウサギ用の巣穴を分け、子供たちの巣穴は出入り口を土で埋めて隠してしまうのだそうです。
これは猛毒を持つハブなどの天敵から、大切な子供たちを守るための習性だそうですよ。
授乳する時だけ子供用の巣穴を訪れて土を掘り返し、それが終わるとまた入り口を塞いで天敵が近寄れないようにする行動は、私たちが我が子を思う愛情と同じですね。
そのような習性からか、アマミノクロウサギの手足は太く、また爪もとても丈夫で穴堀りがとても上手だそうです。
まとめ
アマミノクロウサギとハブの関係は、共生して互いに助け合っていくような関係ではなく、食べられる側と食べる側だったのですね。
ただアマミノクロウサギの方も、生き延びるため、いろいろと知恵を絞っているのだということが分かりました。
自然界で生きていくことは大変なのですね。