チンパンジーとゴリラの違いといわれて真っ先に思いつくのは、あの顔でしょうか。

「可愛い顔のチンパンジー」に「厳(イカ)つい顔のゴリラ」が浮かびます。

見た目では「華奢(キャシャ)なチンパンジー」に「がっしりゴリラ」と感じます。

そのほかに魅力的なところはたくさんありますよね。

これから、チンパンジーとゴリラの違いについて調べてみます。

チンパンジーとゴリラの違い

チンパンジー ゴリラ 違い 強さ 性格

分類

[チンパンジー]

サル目ヒト科ヒト亜科ヒト族チンパンジー属チンパンジー

[ゴリラ]

サル目ヒト科ヒト亜科ゴリラ族ゴリラ属ゴリラ

生息地と行動範囲

[チンパンジー]

アフリカ中央部や西部一帯の森林に棲み、地域によって狭い地域では5~50㎢、サバンナなど広い地域では150㎢前後が行動範囲だということです。

[ゴリラ]

アフリカ西部の比較的低地で、熱帯林に棲み、おおまかに3タイプの個体が生息しているそうです。

(ニシローランドゴリラ、ヒガシローランドゴリラ、マウンテンゴリラ)

生活範囲は10㎢~50㎢、1日に0.5㎞~ 2㎞は移動するといわれています。

体長

[チンパンジー]

・オス;80cm前後から90cm前後

・メス:70cm前後から85cm前後

※立ち上がると、150cm前後から170cm前後になるらしく、人と変わらない体長(身長)であることが分かる

[ゴリラ]

・オス:150cm前後から190cm

・メス:100cm前後150cm

体重

[チンパンジー]

・オス:60kg前後から80kg

・メス:50kg前後から70kg

※飼育されている個体の中には、90kgを超えるものもいる

[ゴリラ]

・オス:150kg前後から200kgに達する個体もいる

・メス:80kg前後から100kgを超える個体もいる

尻尾

[チンパンジー]

・ない

※子供の頃は、尻の部分に白い毛がある

[ゴリラ]

・ない

身体の特徴

[チンパンジー]

・色の識別ができ、視力が良く、聴覚も良い

・自分で道具を作り、その道具を使うなど、知能が高い

・物覚えが良いので天敵(ヒョウ、大型の猛禽類など)や危険は、仲間に知らせる

たいていは全身が黒で、亜種によっては色の見え方が多少違う

・顔色は黒系で、毛はない

・あごの辺りに白っぽい毛が生える

・年齢とともに、まゆ毛の位置が出っ張ってくる

・ほかのサル類と比べると耳が大きめで、その位置は目の高さより多少上にある

・普段は四足で移動するが、子供を抱えたり、物を持っては、二足になる

・木の上でも地上でも素早い動きと、ずば抜けたジャンプ力を持つ

[ゴリラ]

・腕を広げた長さは200cmを超え、大きい個体では270cmにもなる

・どっしりした体とがっしりした四肢

毛の色は、黒褐色で、おおむね13歳には背中が灰色になり、「シルバーバック」と呼ばれる

・顔、耳、四肢は黒色、この部分には毛がない

・鼻の穴は大きく正面を向き、耳は小さい

・頭が尖がってくるのは、18歳頃から

・後ろ足よりも前足の方が長いため、四肢で立つと肩の方に上がる姿勢

・知能が高い

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生息環境(生態)

[チンパンジー]

・生息地は広く、低地でも高地でも生活できる

・基本的には「昼行性」で、夜は棲み処で寝る

・リーダーのオスを中心に、性別年齢に関係なく群れを作る

・生活拠点は木の上、移動は地面

・棲み処は、毎日移動し、毎日作り変える

・母ザルと子供が同じ棲み処、あとの個体は単独

・食物傾向は雑食

・時に、同じ群れの子供を手にかけたり、ほかの個体も手にかける

・繁殖期は決まっていない

・オスメスともに、決まった「つがい」の形がない

・妊娠期間は、200~260日、1回の出産で1頭(まれに2頭)

・生まれたばかりでは最大で2kg、体の毛の生え方にはばらつきがある

・オスは約13年、メスは約12年で、それぞれ繁殖が可能

・メスは、10年目頃に群れを離れ、別の群れに移籍し、繁殖に備える

・平均寿命は、飼育されている場合は、おおむね50年、自然界では、おおむね20年

[ゴリラ]

・リーダー格のオスと10頭ほどの群れ(メスが数頭と子供)を作る

・一夫多妻が一般的で、ほかの群れと合流することもある

・昼行性で、夜は各個体が棲み処を作り、眠るが、場所は毎日変える

※メスと子供は3mほどの木の上で、オスは地上で眠る

・食物傾向は雑食だが、食物繊維を特に好む

・メスは、8~9年で繁殖可能となる

・妊娠期間は、平均256日、1回の出産で1頭(3~4年間隔)

・平均寿命は、飼育されている場合は、おおむね50年、自然界では、おおむね40年

・生まれたばかりの子供では平均1.8kg

・天敵は主にヒョウで、命を奪われることもある

・エボラ出血熱、疥癬、肺炎などで命を落とす個体もいる

国際自然保護連合(IUCN)での取り扱い(保護の評価)

[チンパンジー]

・絶滅危惧種(EN=絶滅危惧IB類)

[ゴリラ]

・絶滅危惧種(CR=特別危惧IA類):ローランドゴリラ

強さ(戦闘力)

[チンパンジー]

・チンパンジーの握力は、300kg前後といわれています。その根拠は、体を振り子の様にして、自在に移動する様子から、はじき出された数字の様です。そんな握力も自然の中では、目立った強さではなさそうです。

・ヒヒの命を奪った記録や、知恵を使った技(道具を使って応戦するなど)で、敵を追い払った記録がある様です。

・森などに生息するチンパンジーですが、もしもライオンと戦う羽目になったら、木の上に逃げるのが関の山だと考えられます。

・人とチンパンジーが戦う羽目になったら、格闘家でない限り、「ただの人」の力には、勝機はないそうです。

[ゴリラ]

・ゴリラの握力は、500kg前後といわれていますが、検証ができていないそうです。科学的に解明された訳ではなさそうですが、あの巨体を木の上まで運ぶには、必要な数字だろうと考えられています。

・ゴリラの体は、ほとんどが筋肉だということですが、攻撃に有効と思われる爪や牙は持ち合わせていません。それでも、人には楽勝の可能性が高い様です。

・同じ体格の動物(熊など)とでは、勝ち目はほとんどないそうです。

・ライオンなど(ネコ科)とでは、勝てる確率も下がるといわれています。実は、ヒョウに命を奪われたという報告がある様です。

性格

[チンパンジー]

・陽気で明るく、声を出して表現する

・くすぐると、笑いの表情を見せる

・縄張りを強く意識する

※ほかの群れともやり合う、または、それ以上の戦いをする

・群れで狩りをするが、獲物は平等に分配するとは限らない

[ゴリラ]

・大人しく、どっしり構えて温和

・繊細

※臆病という説もある

・ストレスに弱い

※下痢をしたり、腋臭(ワキガ)出たり、心臓が弱って命を落とす個体もいる

・警戒心が強い

・食事中に鼻歌を歌う陽気さ

・優しさもある

※戦う相手が弱いとみると、力加減をする

・オス同士で好きになることがある

まとめ

チンパンジーとゴリラの違いはたくさんありましたが、大きく違う点は、

①生息地

②群れの構成

③体の特徴

④握力の強さ

⑤性格(気性)

などでした。

チンパンジーとゴリラの生息地の違いから、自然界ではチンパンジーとゴリラが出会うことは滅多にないことが分かりました。

また、チンパンジーは見た目通りの性格だと改めて理解し、ゴリラは見た目とは違い、環境(立場)に影響されやすいことも分かりました。

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