2016年12月に、国際自然保護連合(IUCN)がキリンをレッドリストに登録したことはご存知でしょうか。

レッドリストとは、絶滅危惧種である動物を掲載したものです。

それまでキリンは「軽度懸念」とされていましたが、「絶滅危惧2種」に引き上げとなりました。

実はキリンの生息数は1985年の15万5000頭から、2015年には9万7000頭まで減少しています。

その背景には、生息地域の縮小や密猟、アフリカ諸国で相次ぐ内乱がありました。

キリンは9亜種が存在していますが95%にまで減った亜種もあります。

そんなキリンですが、動物園の花形として今も尚人気があります。

日本国内ではどれくらい飼育されているのでしょうか。

日本国内でもキリンの飼育頭数は減ってきている

キリン 日本 頭数

キリンの飼育頭数は2018年で160頭前後と、年々数が減ってきています。

この数字は10年前に比べ3割以上減っているのだそうです。

日本国内には繁殖可能なオスがとても少なく繁殖が思うようにいかず出生率が下がっているのと、また動物園で飼われているキリンたちも高齢化が進んで数が減っていることが理由として挙げられます。

希少動物は動物園でも集客力が高いのですが、希少だけあって新しく海外から輸入するにしてもコストがかかり、動物たちの高齢化で集客力が下がっている動物園では迎えるだけの余裕がなく閉園になるような動物園もあるようです。

それは、動物園の人気者であるキリンにも同じく言えることです。

そもそも日本の動物園では昔からオスメス1頭ずつ展示するというような展示形態をとっており、群れを成す動物を群れで飼育し繁殖していく、という飼育がなされてこなかったためもあります。

群れでの飼育に切り替えようにも莫大な費用が掛かりますから、現状それも進んでいません。

そこで、キリン繁殖検討委員会と言うものを立ち上げ、繁殖が順調に進むようにオスとメスの適正な移動や繁殖計画について検討する動きも出てきています。

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まとめ

動物園で飼育されている動物としてはポピュラーなキリンですが、大幅に数が減っていて、このままだと動物園からキリンがいなくなるかも、とまで言われています。

このままでは動物園自体も維持できず閉園、ということも増えてきてしまうとも言われており、海外のように動物園同士が連携して繁殖に取り組むことも難しくなってきます。

この危機を脱するには、財政的にも自治体だけでなく国全体、国民の理解や協力が必要と言われています。

キリンに限った話ではありませんが、いつか動物園からいなくなるという可能性を考えて、改めて国全体で動物園の維持について理解を深める必要があるということでしょう。

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