ナマケモノという生きものがいます。
誰しも一度はテレビ番組や動物園で見たことがあるとでしょう。
のんびりした表情と超スローテンポな動き。
むしろ動かないことがほとんど。
そんな姿に、見ているこちらもなんだかほっこりして平和な気分になってきます。
ですが、そんな一見平和そのもののようなナマケモノだって、れっきとした野生動物。
厳しい自然の中で暮らしているのです。
では一体どんな生活をしているのでしょうか。
ナマケモノの生態とその繁殖方法について
ナマケモノは、南アメリカや中央アメリカの熱帯雨林が生息地です。
一生のほとんどの時間を木の上で、枝などにぶら下がって過ごします。
地上に降りてくるのは、1週間にたった一度の排せつの時のみで、それ以外は、睡眠や食事などの全てを木の上で行うのです。
その木の上の生活も、ほとんど動かず、なんと一日のうち20時間を寝て過ごします。
食事の量も一日8gの木の葉や新芽を食べるのみで、その食事スタイルもほとんど動かないままという省エネぶりです。
そんな超省エネ生物のナマケモノも、もちろん恋愛をします。
そしてそのオスとメスの出会いの場や添い寝もやはり木の上で、なんと出産までも同様にぶら下がったまま行います。
添い寝の様子は、滅多に見られる機会は無いようですが、アメリカのある保護機関での数少ない観察によると、さかさまにぶら下がったままの添い寝だったそうです。
もちろん育児も木の上ですから、ナマケモノの赤ちゃんは大変です。
地上には、ナマケモノの天敵のジャガーやピューマが待ち構えています。
絶対に地上に落ちないように、お母さんにしっかりと抱き着いてぴったりと密着して離れず、自立するまでの生長期間を過ごします。
母親は、子どもが成長すると、自分が住処としていた木を子ども譲り渡して他の木に移っていきます。
まとめ
生活の大半を木の上で過ごすナマケモノ。
地上に降りてくるのが週に一度だけというのも驚きですが、恋愛から出産までも木にぶら下がったままとは、さらに驚きました。
そして、母親にぴったりとくっついて成長する子どもと、その子どもに自分の住処を明け渡していく母親の生き方に感動を覚えました。
ナマケモノ。
本当に不思議な生きものですね。