タスマニアデビルは、タスマニア島だけに生息する有袋類です。
デビルという名前に似合わず、小さな熊のようなかわいい姿態をしています。
なぜデビルの名前をもらったのかは、その生態と鳴き声のせいだとのことです。
どんな鳴き声なのでしょうね。
タスマニアデビルの鳴き声
YouTubeなどで鳴き声を聞いてみました。
なるほど、唸るような、地を這うような声です。
かわいい姿を見ながらでしたら、少しも怖くないのですが、真夜中に姿も見えずガサガサと音がする中でこんな声を聴くと恐ろしいと思います。
それにタスマニアデビルは夜行性で暗くなってから行動を開始しますし、屍を食べます。
屍を食べるというと、墓を掘り返している悪魔そのもののイメージです。
ですからこんな名前がついてしまったのでしょう。
タスマニアデビルの生態と絶滅の危機
タスマニアデビルは絶滅の危機を迎えています。
獰猛な性格とこの唸るような声と屍を食べるという性質のせいで、19世紀には乱獲され、タスマニア島を除く、オーストラリアから姿を消してしまいました。
やっと保護の運動が始まって安定した個体数になったのに、顔面腫瘍が発生しまたもや絶滅の危機にさらされてしまいます。
タスマニアデビルは気性が荒いですが、自分より大きなものや強い相手には臆病です。
せいぜい唸り声を上げて威嚇するだけです。
しかし、入植したばかりの住民にとっては真夜中に唸るような声を聴き、その声の主が家畜を襲う音がするだけで、犯人はタスマニアデビルであると想像してしまいました。
同じようにフクロオオカミも住民たちの敵として絶滅しましたが、そのおかげでタスマニアデビルは命拾いをしました。
その後のタスマニアデビル
顔面腫瘍はまだ猛威を振るっていますが、明るいニュースも入っています。
それはタスマニア島でのタスマニアデビルの個体数の増加です。
タスマニアデビルは哺乳類としては異例の進化の早さで、顔面腫瘍を克服しているようなのです。
タスマニアデビルの性格では、餌を食べるたびにケンカが発生し、生傷が絶えません。
その気性の荒い性格に変化が現れているらしいのです。
まとめ
何度も絶滅の危機に合いながらも生き抜いてきたタスマニアデビル。
しかし、入植者が持ち込んだキツネのおかげで、これからも絶滅の可能性は無くならないと言われています。
分散飼育の協力で日本の動物園ではその愛くるしい姿が見られますが、野生のタスマニアデビルは今でも、厳しい環境で過ごしています。