チンパンジーの体を見ると、ゴリラならパワーがあるように思いますが、チンパンジーは小柄ですので一見弱そうに見えますよね。
ですが、実はそうではないのです。
チンパンジーは小柄ながらも、人間には想像つかないほどの筋肉が備わっています。
では、実際にどのくらいの筋肉、パワーを秘めているのでしょうか。
チンパンジーの筋肉について
普段動物園で見ているチンパンジーは毛がふさふさとたくさんありますよね。
その毛をなくしてみるとその腕の太さに驚かされます。
人間では鍛えることができないほどの筋肉が発達しています。
人間との違いで見てみるとチンパンジーは人間に比べて5倍はその力があるといわれており、主にその力は物をたたいたり、壊したりする力よりも、引く力の方がさらに強いといわれています。
なぜそんなに筋肉があるのでしょか?
チンパンジーの体には人間とは違い発達された「筋繊維の長さ」や「速筋の割合」に関係しているようです。
またチンパンジーは木のぼりをしたり、木から木へと片腕のみで移動できるのも、瞬発的な力が関係しています。
「速筋」は例えるなら短距離走むきで、筋肉の縮む速度が速い筋繊維です。
この瞬発的な力で人間よりも大きな力をだせています。
逆に「遅筋」と呼ばれるものは長距離走むきで、筋肉の縮む速度が遅い筋繊維です。
チンパンジーにはこの「遅筋」の割合は多くはありません。
人間には「速筋」も「遅筋」ももちろん備わっていますが、日常使われているのは「速筋」よりも「遅筋」のほうが多く使われています。
人間がトレーニングする際には「速筋」を多く鍛えようとする人がほとんどですが、「遅筋」を鍛えるほうが後々の大きなけがにつながりにくいとされています。
そうみると、「速筋」が発達しているチンパンジーより、持久力として長く働いている人間の方が優れているかもしれません。
まとめ
チンパンジーの筋肉がもっとも発達しているのはやはり「握力」といっていいでしょう。
普段はぞうやうまなどのように重い荷物を運んだりしていないので、一見力は弱そうですが、決してそのようなことはありません。
チンパンジーには人間とは違った筋肉が備わっています。
それは木登りや、木から木への移動、なわばり争いでの抗争など、生きていくうえで備わってきた過程を意味しているのかもしれません。