中型のサルの一種、マンドリル。
愛嬌のあるしぐさで人気の生き物ですね。
ワシントン条約に掲載されている生き物なのでなじみは薄いかもしれませんが、動物園などで実物にお目にかかったことがある方も多いのではないでしょうか。
マンドリルの一番の特徴ともいえるのが、その体の色ではないかと思います。
全身がふさふさした茶色の毛に覆われている中で、顔とおしりだけ体毛が薄く、その薄い部分は赤・青・紫といった非常に鮮やかな色をしています。
サルの仲間のうち、顔やおしりが赤い種類は比較的多く見られますが、これほど鮮明なブルーを体色として持つものは、他にはなかなか思いつきませんよね。
このインパクトのあるおしりの色は、いったいどういう仕組みで発色しているのでしょうか。
マンドリルのおしりは構造色
実は、この鮮やかなおしりの色は、構造色といわれる仕組みによって青く見えているのです。
構造色とは、光の波長やそのものが持つ構造などによって起こる発色。
なんだか難しそうな言葉ですが、要するに、物質が持っている微細な溝や突起の凹凸の具合によって光が干渉し合い、その物質の本来の色とは違って見える現象のことです。
身近にある具体的な例を挙げると、シャボン玉やCDの色がそれにあたります。
どちらもきらきらと虹色に輝き、見るたびに色が違っているように見えますよね。
あの色は、構造色の仕組みによるものなのです。
構造色は、他の生き物でも多く見られます。
ツマグロヒョウモンやタマムシなどの昆虫類、サンマやネオンテトラなどの魚類、クジャクなどの鳥類の鮮やかな色も構造色によるものです。
しかし、霊長類で構造色を持っているものはほぼおらず、ベルベットモンキーなど限られた種類のみとされています。
マンドリルのおしりが鮮やかな色をしているのは、実はとても珍しいケースなのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
マンドリルの構造色に関してはまだまだ不可解な部分が多く、たくさんの学者がこの不思議な仕組みを解明しようと研究を続けています。
仕組みがわかるととても興味深い構造色。
研究が進んで、どうしてマンドリルがこのような構造色を持つに至ったのか、明らかになる日が楽しみになりますね。