動物園でも人気の動物、マンドリル。
愛嬌のあるその顔は、他の哺乳類系の動物にはあまり見られない、とても鮮やかな赤と青の色をしています。
野性の動物たちは、保護色といって、周りの環境に溶け込み身を隠しやすいように、茶色っぽい色をしていることが多いのですが、マンドリルはその傾向とは逆に、とても目立つ色を体色として持っています。
こんな外見だと天敵に見つかる危険も高まるはずですが、どうしてこんな色をしているのでしょう。
マンドリルの生態を紐解きながら、その理由を解説していきます。
マンドリルの顔の色が派手な理由
マンドリルの顔の色は、実は性別によってその鮮やかさに差があります。
より派手なのはオスのマンドリルで、メスの顔にはそれほど色がついていません。
これは野生生物にはよくみられる現象で、オスのほうがメスよりも派手な色合いをしているというケースはたびたび見られます。
有名な例では、クジャクやキジなどの鳥類がそれにあたります。
では、なぜそんな差が生じるのでしょうか。
この理由は諸説ありますが、ひとつはメスへのアピールであると考えられています。
マンドリルは、一匹のオスがリーダーとなって多数のメスをまとめ、群れを作ります。
オスは、その顔の色が鮮やかな個体が健康で強いと言われています。
つまり、より鮮やかな顔色のオスのほうが、よりたくさんのメスと群れを作ることができるのです。
もうひとつは、生息している環境が関わっています。
野生のマンドリルは熱帯雨林のジャングルに生息しています。
ジャングルは昼間でも薄暗いことが多いため、仲間を識別するためには暗い場所でもわかるような目印が必要となります。
マンドリルは、その鮮やかな顔の色で仲間を認識し、群れからはぐれないようにしている、と言われています。
まとめ
マンドリルのとても派手な顔の色は、ジャングルの過酷な環境で生き抜いていくためには必要なものでした。
天敵に見つかる危険はあるものの、それよりも大きなメリットがあの鮮やかな色には隠されていたのですね。
もし動物園でマンドリルを見る機会があれば、ぜひ顔の色の個体差をよく観察してみてください。
面白い発見があるかもしれません。