「イボイモリ」という生き物をご存じでしょうか?
イボイモリは、「まるで生きた化石?!」または、「恐竜の祖先?!」などと呼ばれている大変珍しいイモリです。
この記事では、そんなイボイモリについて、まとめています。
まるで、恐竜?!
イボイモリは、全長約16㎝ほどのイモリです。
体色は全身、黒褐色で、足や尻尾の裏、肋骨の先は橙色です。
名前の由来は、背中にイボのような突起があることからだと言われていますが、イボイモリは、脊椎の部分も盛り上がっています。
頭部と体は扁平ですが、脊椎の盛り上がりと突起、その体色によって「まるで小さな恐竜」のように見える外見をしており「ゴジラみたい」と言われることもあります。
また、脊椎の脇に並んであるイボに見える部分は、皮膚にイボができているわけではなく、肋骨が突出しているために皮膚が押し上げられているものです。
イボイモリは、厳つそうに思われる外見ですが、動きは遅く、毒は持っていません。
イボイモリは、天然記念物
イボイモリは、「生きた化石」と言われるほど、原始的なイモリのグループに入るイモリで、沖縄諸島と奄美大島にしか生息していないと言われ、天然記念物として、1978年に沖縄県で、2003年に鹿児島県で、それぞれ指定されています。
また、イボイモリは、絶滅危惧種としても指定されています。
森林伐採や土地造成などによってイボイモリの生息地が減少したことの他に、アメリカザリガニやマングース、テラピアなどの外来種によって捕食されたことで生息数が減少したと言われています。
イボイモリの生態
イボイモリは、日の当たらない湿った場所、林や草原、池や沼近くの落ち葉や倒木などの下に生息します。
成体のイボイモリは、水のある場所から少し離れた落ち葉の下などで産卵します。
卵は一ヵ月ほどで孵化し、幼いイボイモリは自力で水場に移動(もしくは雨水など自然の力で移動)し、水中で生活します。
そして、孵化から2~3ヵ月で成体になります。
成体となったイボイモリは、水中ではなく、陸上で生活するようになります。
まとめ
「恐竜の祖先?!」「まるで生きた化石」と呼ばれるイボイモリは、沖縄諸島と奄美大島のみに生息すると言われる、大変貴重なイモリです。
まるで恐竜のような外見をしていても、イボイモリは全長16㎝ほどと大きくない生き物で現在は絶滅の危機に瀕しています。