古来よりカメは長寿のシンボルとされていて、「鶴は千年、亀は万年」という言葉があるほどです。
実際に一万年も生きるカメはいませんが、寿命というのは体格に比例して長くなる部分もあるので、海中生物の中でも大きい部類に入るアオウミガメは長寿である可能性があります。
では自然界で生息しているアオウミガメは、どれくらいの寿命を持っているのでしょうか。
アオウミガメの一般的な平均寿命
平均寿命というのはその動物が誕生してから寿命を全うするまでの年月を平均化したものであり、当然にその平均寿命よりもはるかに長い年月を生息している個体もいます。
特に海中生物は陸上生物と違ってその生態が把握しにくいのですが、それでもアオウミガメの平均寿命は80年だと推測されています。
この80年という平均寿命は海中生物ではかなりの長寿であり、ここまで長いのは他にはマッコウクジラやシロナガスクジラくらいしかいません。
ウミガメの種類はここまで平均寿命が長いので、甲羅に藻が繁殖してそれが成長し、お尻の辺りに長い毛のようにまとわりついてしまった個体もいて、昔のウミガメの絵のお尻に毛のようなものが描かれているのはこのためです。
アオウミガメの本当の平均寿命とは
アオウミガメは水族館などで飼育されていると、100歳を超える個体が数多くいて、本当の寿命はもっと長いとする専門家もいます。
記録として残っているのは推定年数が200歳という例もあり、本当の平均寿命は100歳を超えている可能性があります。
アオウミガメの寿命が短くなっている原因は寿命を全うできない外的な要因があるからで、そこには天敵に狙われるという以外に、人間が捕獲していることが大きく関係しているのは間違いないでしょう。
日本でも一部地域でアオウミガメは捕獲されていますが、それを世界に目を向けると多くの地域で捕獲されているからであり、環境の変化あって地中海では既に絶滅に瀕している状態です。
アオウミガメの寿命が長い理由
動物の寿命というのは一定の法則性があり、体が大きくなるほど寿命は長くなる傾向にあり、もう一つの要因は運動量が考えられます。
厳密には運動量というよりも心拍数であり、一説には動物には誕生したときから心拍数の上限が決まっていて、その上限に達すると寿命になると言われています。
寿命の短い動物は元から鼓動が速く、それでいて活発に動き回る種類が多いので、そのために心拍数が多くなってくるので寿命が短くなってしまうという仕組みです。
アオウミガメは体が大きく、それでいて活発に動くタイプの動物ではないので心拍数は元々遅くなっています。
そして主食が海藻なので体内でゆっくりと消化されていくために体に負担がかからず、海藻そのものが栄養が豊富なので、それも長寿に貢献しているのです。
まとめ
草食性の動物は総じて性格が穏やかで、アオウミガメは子供のころにはクラゲやエビなども食べていて雑食性ですが、成体になると海藻しか食べなくなるので、とても大人しい海中生物です。
この性格も寿命には関係していて、攻撃的な肉食動物は寿命が短くなっています。
アオウミガメは長寿になる条件が備わっていて、それを人間が短くする理由はどこにもありません。