最近見かけることがめっきり無くなった虫の一つにオオミノガがあります。
かつては日本のいたるところで見ることができたオオミノガですが、近年では探してもなかなか見つからないといった状況です。
そもそもミノムシ自体を一度も見たことがない、といった子供も増えてきているのではないでしょうか?
それもそのはずで、日本で一般にミノムシと呼ばれているオオミノガは、ここ数十年で個体数が激減してしまい、現在では絶滅危惧種に指定されるまでになっているからです。
その原因は、中国から来たと見られるオオミノガヤドリバエという寄生バエの影響だといわれています。
そんな数を減らしつつあるオオミノガですが、名前から「蛾」ではないかと考える人もいるかと思います。
しかし、実はオオミノガは幼虫のことを指すんです。
また、オスは成虫になると「蛾」になりますが、メスは「蛾」にならないんです。
今回は「蛾」とよく間違えられてしまうオオミノガの成虫について、詳しくご紹介していきたいと思います。
オオミノガは幼虫!では成虫は?
上記でご説明の通りで、オオミノガとはミノムシ、つまりは幼虫のことを指します。
ではオオミノガは成虫になるとどうなるのでしょうか?
オスとメスとで成虫になった際には大きな違いがあります。
オスは「蛾」の形になり、その体長は約30㎜~40㎜といわれています。
しかしオスは成虫になると口が退化してしまい、花の蜜などを吸うことはできません。
一方でメスは羽や足は無く、形は小さい頭と小さな胸、そして大半以上を腹部が占めます。
また、オスと同様に口が退化します。
メスは「蛾」にはならずに、蓑内部の蛹の殻の中に留まります。
つまりは、オスは蛾になってメスのもとへ行き、メスは一生を芋虫の形で蓑の中で暮らします。
そしてオスはメスの匂いから蓑を見つけ、共寝した後にすぐに亡くなります。
メスは卵を産むと同じく亡くなってしまい、蓑内部から落下してしまいます。
オオミノガの大きさは?
オオミノガのオスの成虫時の大きさは30㎜~40㎜でしたが、幼虫はどれほどの大きさでしょうか?
実は成虫と大きさはほとんど変わらず、終令幼虫の体長は、40mm前後です。
まとめ
今回はオオミノガの成虫とその大きさについてご紹介してきました。
成虫の期間は非常に短く、とても儚い命ですね。
筆者自身もオオミノガに同情をしてしまいます。
こんな儚い命でありながら、寄生バエの影響で絶滅に追いやられているのは可哀そうですね。
どうにか個体数が増えるように、保護活動をしていきたいものです。