動物系の番組などでよくテレビで放送されるウミガメの産卵シーン。
涙を流しながら産むウミガメに感動する人も少なくないはずです。
しかし、私たちが目にするのは産んでいる母ガメと孵化した後の子ガメたちだけですよね。
実際、目にすることができない産卵から孵化する間の期間、どんなことが起こっているのでしょうか。
海から陸へ、そして産卵
ウミガメは名前の通り、海で生活をしています。
しかし産卵期になると砂浜へ上陸し、まずは一番安全な場所を探します。
いい場所を見つけると、ボディーピットという母ガメの体が入るほどの穴を掘っていきます。
それが終わると産卵巣を作っていきます。
この産卵巣は、理科の実験でよく使われる丸いフラスコのような形をしています。
母ガメはそこにひっそりと100個以上もの卵を落としていきます。
卵はピンポンボールような形で白い色をしています。
母ガメは卵を全て産み落とした後、ボディーピットを埋めて海へと帰っていきます。
ウミガメの卵が孵化するまで
ウミガメの卵は孵化するまで約2ヶ月かかります。
この2ヶ月の間、土の中でウミガメはすくすく育っているのです。
ウミガメの卵の孵化しやすい温度は25℃から34℃未満とされており、またウミガメだけに関係なくたくさんの爬虫類は卵の育った環境温度で性別が決まります。
ウミガメの場合、29℃が境界線となるようです。
爬虫類の卵はとてもデリケートで、産み落とされた向きを変えてしまうとその卵は機能しなくなります。
また湿度にも敏感で、卵が乾燥してしまったり海水を被ってしまったりすると直ぐにダメになってしまいます。
そのため、砂浜に上がった母ガメがテトラポットなどの障害で海岸に近い浜辺に産んでしまうと、潮が満ちたときに卵が海水を被ってしまうことが多くあります。
無事すくすく育った卵は、産み落とされて約2ヶ月後、子ガメとなって殻を破って出てきます。
孵化できたカメたちは安全なタイミングを自分たちで見計らい、海へと向かって砂から出ていくのです。
まとめ
ウミガメが産卵し、卵が孵化するには色々な条件が揃わないといけないようです。
卵が産み落とされてからの約2ヶ月間、自然に任せて成長していく卵たちは育っていった環境の状態で運命が大きく変わるのです。