ニホンウナギの産卵場所は、グアム島やマリアナ諸島の西側沖のスルガ海山付近である事がわかっています。
産卵されたニホンウナギは卵から孵化して仔魚(レプトケファルス)になります。
仔魚が海流に乗って変態し、稚魚(シラスウナギ)になります。
日本に着くころには稚魚になっています。
今回はニホンウナギの稚魚である、シラスウナギの特徴について紹介します。
ニホンウナギの稚魚って何?特徴は?
ニホンウナギの稚魚はシラスウナギといって透明な5~6cmの魚です。
シラスウナギはレプトケファルスという仔魚の状態から、陸岸に近づいたときに変態するものと考えられています。
変態後の稚魚の形は成魚と同じですが、透明な体をしています。
変態時に脱水収縮して、変態前後で体は少し小さくなります。
シラスウナギは河口に集まり、群れをなして川を上ります。
流れの激しい所は、川岸に上陸し水際をはって上ります。
川で水棲昆虫や魚などを捕食して5年~10数年かけて成長します。
その後、ニホンウナギは川を下って産卵場所に向かうのですが、その経路に関しては、まだ不明の部分が多いのです。
ニホンウナギの卵からの養殖は非常に難しく、市場に流通しているニホンウナギの養殖物は、このシラスウナギにエサを与えて育てたものです。
これは、日本だけではなく中国でも行っています。
ニホンウナギの人工養殖は、技術的には完成しているのですが莫大な時間とお金がかかるため、実用段階にはまだいっていません。
水産庁はニホンウナギの完全養殖の商業化目標を2020年としています。
結果的に、ニホンウナギの養殖はシラスウナギを育てて成魚化するという、天然資源にたよることを余儀なくされているのが現状です。
そのため、ニホンウナギの稚魚であるシラスウナギの乱獲が問題になっています。
まとめ
ニホンウナギの稚魚は体は透明のままですが、成魚であるニホンウナギと同じ形になるのですね。
ニホンウナギは、漁獲量が激減しています。
過去のデータでは、ニホンウナギとシラスウナギはほぼ同じカーブを描いて減少してきています。
絶滅危惧種に指定された後は、シラスウナギの漁獲量規制の動きもあります。
私たちがウナギを食べ続けるために、何ができるか考える時期ではないでしょうか?