夏の土用の丑の日の食卓でおなじみのニホンウナギですが、その生態はまだまだ多くの謎に包まれています。
産卵場所は2006年に発見されましたが、あらゆる事が謎のままです。
そんなニホンウナギの今わかっている生態について紹介します。
ニホンウナギの生態は?
ニホンウナギは日本から約2000k離れたマリアナ諸島の西側沖のマリアナ海嶺のスルガ海山付近で生まれます。
そこで孵化し、透明な仔魚になります。
この仔魚はレプトケファレスと呼ばれ、近年の研究で、マリンスノーと呼ばれる微生物の亡骸や、卵の残骸を食べていることが確認されました。
しかし、このマリンスノーは海の塵のようなもので、具体的にどんなものを食べているのか、まだわかっていません。
仔魚は太平洋を回遊して、稚魚へと変態します。
この変態で、「シラスウナギ」となります。
このシラスウナギは形こそ成魚と同じですが、透明さは仔魚のままです。
その後、河口についたのち川を遡上し、5~10年ほどで成長し、海洋へ戻って産卵します。
成魚は小魚やエビ、虫などを幅広く捕食し、生息域も広く、多方面に分布しています。
ニホンウナギはドジョウと同じように汚泥や浅瀬での水がほとんどない所で生活できますが、ニホンウナギは、エラ呼吸以外にも優れた皮膚呼吸能力をもっており、表皮の水分に酸素を蓄えて十数時間水がなくても生活できるのです。
天敵はカワウやゴイサギなどですが、今や人間も天敵かもしれません。
また、ウナギは固定の縄張りや巣を持っており、どんなに離れてももとの場所に戻ってくる方向感覚をもっています。
成熟したウナギは河口で海水に慣れたあと、エサなどは全く食べずにまっすぐ産卵場所を目指します。
ニホンウナギの場合はマリアナ海嶺付近であり、そこで生殖・産卵を行います。
産卵を終えた、ニホンウナギはその役目を終え、あの世へ旅立ちます。
まとめ
謎に包まれてきたニホンウナギの生態ですが、産卵場所の解明以降、少しずつですが謎がとけてきています。
ニホンウナギは、乱獲や海洋、河口の変化の影響で、絶滅危惧種に指定されています。
ニホンウナギの保護の為にもその生態の解明は急務となっています。