絶滅が心配され、絶滅危惧種に登録されているスローロリスというサルの仲間がいます。
非常にゆっくりとした動きで、大きな目が特徴のスローロリスは、実はペットとしても人気があります。
現在は飼育することができませんが、野生ではまだ生息しています。
一般的にスローロリスは、インドなど東南アジア地方に生息しています。
今回は、そんなスローロリスの生態について見ていきましょう。
大人しい性格のスローロリスの生態について
スローロリスは小型のサルの仲間です。
名前にもあるように、代謝が遅く、非常にゆっくりとしたスピードで動きます。
ゆっくりとした動きと言えば、思い当たる動物がいますね。
そうです。
ナマケモノです。
しかし、スローロリスはナマケモノと違い、夜間に捕食活動を行います。
雑食のスローロリスはゆっくりと獲物に接近し、そのスローな動作で昆虫などをつかみ取りにします。
また、サルの仲間で唯一毒を持っている種類になります。
では、どこに毒を持っているのでしょうか。
スローロリスは、肘の内側の毛が薄い部分に臭腺を持っています。
外敵から身を守るときにそれを舐めとり唾液と混ぜて、毛皮に塗ります。
この臭腺から出る液体に毒性があるのです。
基本的にこの毒性のある液体を口内に溜め込んで生活しているため、噛まれたら、その毒が体内に侵入してしまいます。
それが分かっているのか、小型の肉食動物は警戒し、積極的にスローロリスを襲うことはないと言われています。
生息地では野生のスローロリスに迂闊に触れた結果、噛まれた人間が全身に炎症を起こし亡くなったという例も報告されているほど、毒性が強いようです。
絶滅危惧種に登録される以前は、ペットとして販売されていたスローロリスは犬歯を抜かれます。
体内に毒が侵入しなければ危険性がさほどないため、そのような対策が取られペットとして販売されていました。
この犬歯を抜くという行為は、スローロリスにとってはとてもリスクが高いものとなります。
外敵から身を守るための犬歯であるため、それを抜かれるということは野生復帰を不可能となる、そういった理由もあり、規制されるようになりました。
まとめ
おとなしい性格で、かわいらしい小型の動物ですが、毒を持っているとは意外ですね。
ですが、自然界を生き残るための術なのです。
絶滅しないよう見守っていきたいですね。