アフリカゾウは、この地球上の最大の陸上動物として「勇気の象徴」、「誇りの象徴」、または「アフリカの象徴」などといわれ、世界中の子供から大人まで、よく知られている動物です。

この様なアフリカゾウが恐れる天敵などいない様に思えますが、真実はどうでしょう。

アフリカゾウの天敵について調べます。

アフリカゾウの「苦手」と「天敵」の可能性

アフリカゾウ 天敵

アフリカゾウの「苦手」が、そのまま「天敵」になるかどうかについて考えてみましょう。

①怒ったハチの羽音

実験によれば、怒っているハチの羽音を録音しゾウに聞かせたところ、一斉に聞き耳を立て、音の方向を探り、群れのリーダーが合図を出すと、全体がその場から逃げ出したそうです。

この実験で「ゾウは怒ったハチの羽音が苦手」ということが分かった様ですが、ゾウ全体の命を脅かす「天敵」とはなりにくい様です。

②ライオン

群れから遅れた幼い個体や、群れからはぐれた弱い個体が、ライオンの群れに狙われた場合は、襲われて命を奪われることもある様です。

運悪く犠牲になる個体にとっては、ライオンも天敵になるのかも知れませんが、ゾウ全体の命を脅かす「天敵」とはなりにくい様です。

③ワニ(クロコダイル)

アフリカゾウの幼い個体にとっては、ワニ(クロコダイル)を天敵として刷り込まれている可能性があるそうです。

もしも、幼い時代の個体がワニに襲われ続けたら、ゾウ全体の数が増えません。

そう考えると、ワニ(クロコダイル)は、ゾウ全体の命を脅かす「天敵」となりうるのかも知れません。

④病気の感染(流行)

もしも、たった一頭でも強力な感染力を持つウイルスなどに感染し、それが群れの中で広まってしまったら、群れが1つなくなるほどの脅威となりうるそうです。

そう考えると、病気の感染(流行)は、ゾウの1つ以上の群れの命を脅かす「天敵」となりうるのかも知れません。

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現在のアフリカゾウの「真の天敵」とは

「アフリカゾウの苦手」はいくつかありましたが、それが直接的に「アフリカゾウの天敵」となるかどうかは、疑問の様です。

ですが、調べていく内に「アフリカゾウの真の天敵」は、私たち「人間」ではないのだろうかと思えてきました。

実は、「アフリカゾウの天敵は、本来この自然界にはいない」とされているそうなのです。

1970年代、人がアフリカゾウの象牙(牙)を取るだけの目的で、次々と命を奪っていったそうです。

そのせいで1980年代には、アフリカゾウの数が半分以下になってしまったといいます。

アフリカゾウの絶滅の危機を感じた世界中の人たちが、1989年に「国際条約」で象牙の世界的な取引を禁止し、アフリカゾウのいる地域を「保護区」に指定したり、群れを移動させたりして、保護を進めてきた様です。

そのお陰もあって、1度は減少が緩やかになったということです。

ですが残念なことに、一部の善からぬ人たちのせいで象牙の「裏での取り引き」がまだまだ存在し、裏社会の資金源になっている可能性も疑われているということです。

いずれにしても、今ではアフリカゾウの天敵は、残念ながら私たち人間といわざるを得ない状況だということの様です。

まとめ

「アフリカゾウが立派な大人の個体に成長することができれば天敵などいない」というのが一般的な意見でした。

確かに、子供のゾウや年老いたゾウ、または病気の蔓延などで命を落とすことは、その個体や群れの状態によって天敵といえるのかも知れません。

ですが、それはどれも昔から自然界で当たり前に続いてきた命のやり取りの様に思われ、アフリカゾウ全部の命を早急に脅かすほどの天敵の可能性は低いと個人的には感じています。

ですが、人間の象牙目的の乱獲は、自然発生的なことではなく、むしろ「自然界には必要のない行為=もともとはなかった行為」です。

調べてみて分かったことは、「アフリカゾウの天敵は、人間」であるということでした。

本当に、残念な、申し訳ない気持ちになりました。

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