キリンはその稀な体格や全長から、それらを維持するためにたくさんの機能が備わっています。
それはある意味、生活環境の変化によって進化する過程でそれに乗じて機能が発達したり、他の動物には見られない器官が増えた結果による、と言えます。
キリンの生活習慣や動作の癖なども同様、行動する場所や生存するための条件に見合ったものに定着し現在に至ります。
その一つに、キリンの驚くような睡眠時間の短さもあります。
その短さや眠りの浅さは、どのような理由によるものなのでしょうか。
キリンの睡眠時間とその理由についてお話しします。
なぜ短いの?キリンの睡眠時間とその理由
キリンは通常立って眠ります。
あの背の高いキリンが、立ったまま寝るのは大変なのではないか、と想像します。
しかし、これは野生環境の中で外敵からの攻撃、またそれらのストレスなどに備えた習慣の一つなのです。
キリンは強靭な脚力を持っています。
それゆえに重い身体を支えることができますし、時速50〜60キロほどの速さで走ることができます。
しかし、その足の長さゆえ、走り初めのスパートが遅いのです。
そうなると、睡眠時敵が突然襲撃してきた時、ぐっすり眠っている状態からでは即座に走り逃げるのに時間がかかります。
非常時の逃げ遅れないよう見越して常に安眠、熟睡を避けているのです。
そんなキリンの睡眠時間は、平均1日2〜4分、長くても10分、と言うのですから驚きです。
非常に浅い眠りを立ったまま行い、常に物音や気配を感知できるようにしているのです。
まとめ
外敵からの防御策の一つとして、睡眠時間を削って生活するキリン。
いかに野生環境では敵が多く、常に緊張、警戒して非常時に備えているのかが伺えます。
それゆえに睡眠法も野生動物としてのサバイバル術、というわけです。
保護された場所、動物園や他の肉食動物と隔離された場所では、2〜3時間キリンが深く眠る光景を見ることができます。
その時は前後の足を上手く折り、地面に座って眠ります。
熟睡している時はさらに首を後ろ足付近に乗せます。
その姿から、とても安心していることが見て取れます。