首の長いキリンは、動物の中でも最も高血圧な動物と言われています。
そのわけは、頭から心臓にかけての距離がとても離れているからなのだそうです。
血液を重力に逆らって送り込むには相当な圧力が必要なのです。
ではそんなキリンの心臓はどうなっているのかについて紹介していきます。
キリンは心臓がとても大きい!その大きさは?
キリンの心臓はとても大きく、心臓だけで直径約60cm、重さにして約10kgあり、左右の構造が違っています。
あれだけの巨体ですから当然と言えば当然かもしれません。
ですが、それに加えてキリンの心臓には左右の構造に違いがありました。
キリンの心臓の右心室は壁が1.5cm程度に対し、反して左心室の壁の厚みは最大で8cmの厚さがあります。
これは、右心室は肺にだけ血液を送ればいいのに対し、左心室は長い首を経て頭へ血液を送らなければいけないという役割があるからです。
キリンの心臓って数はいくつ?
タコやイカなどは心臓を複数持っていると聞きます。
そして心臓によって違った役割を持っています。
頭に血液を送りこむため、高血圧であることが生命の維持につながっているキリンですが、心臓は多くの動物と同じくひとつしかありません。
心臓の内壁の厚さを変えるくらいであれば心臓を複数持っていそうな気もしますが、キリンは進化の過程で心臓を複数持つことにはならなかったのですね。
そのかわりにヒトの2倍以上の力(心臓近くでおよそ260/160mmHg)で血液を送り出しています。
キリンの心臓は頭からとても離れた位置にある
キリンの頭は、心臓の位置から2m以上も離れた位置にあります。
そのため、高い圧力がかかることになるため長時間頭の位置を下にすることはできません。
勿論、水を飲んだり足元の餌を食べるため首を下へ向けることも必要になるため、血流増加を和らげるための仕組みがありますが、それも30分程度が限界とも言われています。
キリンが立ったまま寝るのはこれも理由なのでしょうね。
まとめ
キリンは全長5mを超えるものもいますから、てっきり特殊な心臓を持っていたりするのかなと思いきや、形はそれほど他の動物と変わりがないようです。
また、心臓を複数持っているわけでもなく、首から特別近いようでもありません。
首があれだけ進化していればもしかしたら心臓も進化したりしているのだろうかとも思いましたが、発達した筋力だけで人間の倍以上の力で血液を送り出しているというのはちょっと意外だったかもしれません。
そのために心臓の厚さにも極端な違いがあるのは、やはり進化の過程で無駄がなくなっていったからなのでしょうか。
人間では高血圧で病気になったりしますが、キリンにとってはそれが当たり前なのですね。