よく動物系のテレビやドキュメンタリー番組で見かけるウミガメの産卵シーン。
暗闇の中、涙を流しながら卵を産み落としている姿は印象的で、感動する方も多いのではないでしょうか。
しかし、このウミガメの涙、本当は涙ではないと言う声もあります。
涙の正体は何なのか突き止めていきます。
ウミガメの涙の正体とは?
ウミガメの涙は産卵時によく注目を浴びます。
感動的でインパクトがあり、ウミガメの産卵といえば涙、とリンク付いてる方もいるのではないでしょうか。
実はウミガメの涙は、私たちが流すような涙ではなく、粘液なのです。
この粘液はウミガメの目から出ています。
産卵の時に悲しいから泣いている、痛いから泣いている、と言うのは全くの嘘で、陸上・海中関係なく常に出ているそうです。
陸に出て粘液を出すことで私達の目に触れ、私たちが勝手に解釈してしまったものですが、やはり見ていると、感動しますよね。
そして、この粘液は産卵時にとても役に立ちます。
ウミガメは産卵のために上陸して海に帰るまで、相当な時間がかかります。
この長時間、海水を浴びることがないので乾燥してしまいます。
その時、常に出ている粘膜は目を乾燥から守ってくれるのです。
ウミガメの涙は塩分の排出?
ウミガメの粘液である涙、その正体は体内から排出された塩分です。
ウミガメは餌を食べるときに大量の海水を飲み込んでしまい、体内の塩分濃度が高くなってしまいます。
真水を飲むことがないウミガメは、体内の塩分を粘液として排出することで体内の塩分濃度を調節して海中で暮らせるような機能が備わりました。
ウミガメは成長とともに海での生活に対応できるよう、人間の涙腺に相当する塩類腺と呼ばれる体内の塩分濃度を調節する器官が肥大し発達します。
他のカメにも涙腺はありますが、体内の塩分を調節する必要がないのでウミガメのような涙と言われる粘液は見られません。
まとめ
ウミガメの涙は、涙ではなく体内から排出される塩分の粘液でした。
ウミガメが海の中で生き抜くためのものであり、産卵時のみに見せる涙ではありませんでした。
しかし、ドキュメンタリー番組でウミガメが涙を流しているように見える姿は感動してしまいますね。